賢い家づくりを!注文住宅の建築コストを抑えるテクニックとは?
注文住宅を建てる際、「丈夫で長持ちする家を建てたい!」「デザインにこだわった素敵な家にしたい!」と考える人も多くいます。しかし、家は大きな買い物です。「なるべくコストカットしたい」と考えている人が大半でしょう。そこで納得して家を建てるために、建築にかかるコストカットのテクニックや削ってはいけない部分について解説します。
注文住宅建築にかかる費用の内訳
家を1つ建てるには、家本体を建てるためにかかる「建築費」のほかにも費用が発生します。ハウスメーカーのパンフレットを見ても、掲載されている金額は建築費のみです。したがって、パンフレットに掲載されている金額で家が建てられると勘違いしてしまう人もいます。
土地代・地盤改良工事費
家を建てる場所の土地の購入費用と、地盤が脆弱であれば工事費用も掛かります。土地の相場は調べればわかりますが、取り扱う不動産会社によって価格が異なることもあるため、同じ地域の土地でもしっかりと見比べなければいけません。
また、利便性の高い駅や中心街からの距離で土地の価格は異なります。人気の有無で土地の価格は変動するため、利便性や地域の雰囲気を重視するか、コストカットを重視するか考えた上で決定しましょう。土地を所有している場合、土地代はかかりませんが地盤改良工事が必要な場合もあります。持っている土地に改良工事が必要か必要でないかは見ただけでは判断できないため、まずは調査を依頼してみましょう。
建築費
基礎・内装・外装工事を含めた費用が建築費です。単純に「家だけにかかる費用」と考えればよいでしょう。建築費は工務店やハウスメーカーによって異なります。大手住宅メーカーによる施工は安心感がありますが、広告と宣伝に力を入れているため、工務店よりもコストがかかってしまうのが実情です。
その他
土地代・地盤改良工事費・建築費のほか、登記手続きを司法書士に依頼すれば手数料を支払わなければいけません。また、登記手続きでは土地・住宅の両方に登録免許税が課せられます。
注文住宅の建築コストを抑えるテクニック
できれば低コストでいい家を建てたいものですが、どうすればコストが抑えられるのでしょうか?そこで、建築コストを抑えるテクニックをご紹介します。
延べ床面積を減らす
家が大きければその分建築費がかかることは容易に分かります。そのため、コストカットするには単純に「延べ床面積を減らす」という方法も有効です。
「小さい家は嫌だ!」と思っても、吹き抜けにすれば2階から採光できるほか、天井が高いため解放感があります。たとえ延べ床面積が少なくても、構造を工夫すれば広々とした空間は作り出せます。一般的な建売住宅の延べ床面積は90~100m²のため、これを基準として面積の増減を検討してみるのもよいかもしれません。
シンプルな設計にする
注文住宅のメリットの1つは、こだわりのデザインにできる点ですが、複雑な形をしていると使用する木材と施工面積が増え、コストは高くなってしまいます。
そこで有効なのが、構造も間取りもシンプルな設計にすることです。凹凸のないシンプルな形でも、壁の素材や配色を工夫すればオリジナリティは出せます。家の構造や形についてそこまでこだわりがないのであれば、シンプルな形にするのも1つの手です。
手配できるものは自分でする
照明器具やエアコンなど、自分で手配できそうなものはしてしまいましょう。希望する照明器具が予算に合わない場合、工務店やハウスメーカーの担当者は予算内で用意できそうな類似品を提案してくれることもあります。しかし、提案されたものが気に入らなければ、時間が過ぎて無駄になるだけです。「自分でできるな」と思ったことは積極的に行い、コストカットにつなげましょう。
受賞歴を見る
ハウスメーカーに負けないよう、工務店も技術を磨きコストカットに励んでいます。そんな工務店に送られるのが「日本ビルダーズ大賞」です。「安くていい家をつくる会」が主宰しており、全国各地の工務店が毎年表彰されます。もちろん会員でなければ選考対象にはならず、全国の工務店が評価されるわけではありません。
もしも依頼を検討している工務店がこれを受賞していれば、安くてよい家が建てられる技術を持っていると判断してよいでしょう。工務店が受賞する賞はこのほかにもたくさんあり、公式サイトを見ればこれまでに受賞歴があるかどうかを確認できます。
コストを抑える目的で削るべきではない箇所
コストカットばかり考えていると、必要なものまで削ってしまうことがあります。そこで、コストカットを理由に削るべきではない部分について解説します。
水回りの配管工事
安くなるからという理由で、水回りの配管工事を他社に依頼してしまうケースもあります。しかし、これは失敗です。工務店やハウスメーカーと何のかかわりのない業者が介入してしまうと、かえって値段が高くなってしまうことがあります。うまく連携が取れずスケジュール通りに工事が進まないこともあるため、水回りの配管工事を他社に依頼することはやめましょう。
外構工事
工事費用は50~100万円ほどかかりますが、防犯対策をしっかりとするためには、コストを下げてはいけない部分です。外構工事では門や扉・塀・柵が作られますが、これらがない家は中が丸見えになってしまいます。プライバシーも守るためにも、外壁工事は削らないようにしましょう。
建築にかかる費用の内訳やコストカットするテクニック、コストカットを理由に削ってはいけない部分について解説しました。初期費用をなるべく抑えたい気持ちもわかりますが、削りすぎないことも重要です。マイホームは人生で何度もない大きな買い物なので、納得して購入することも大切です。