注文住宅にヌックを設けるメリット・デメリットについて解説!
今回の記事はヌックのメリットとデメリットについて紹介します。ヌックは、2~3畳程度のスペースであり、ひとりの空間を楽しめるようになっています。また、使用用途を明確にしておくことで、物置スペースになることを防げます。家族とリラックスして過ごしつつ、自分だけの空間を設けたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
ヌックとは?
まず、ヌックについて解説します。これは、スコットランドのヌークが語源になっているといわれ、日本語ではこぢんまりとした居心地のよい空間という意味です。2~3畳ほどのスペースを指す意味で、家族の共用場所として用いることが多いです。家族がそれぞれ過ごしたいように過ごせるスペースとして、近年注目を集めています。
ひとりの空間を楽しみたい人におすすめ
一般的な住宅では、家族団らんの時間を過ごすスペースとしてリビングがありました。しかし、昨今の生活環境の変化により、自分の時間を楽しめるようになりたいと考える人が増加しています。ヌックはそのような要望に応えられるスペースとして、需要が高まりつつあるものです。
注文住宅にヌックを設けるメリット
注文住宅でヌックを設けるメリットとして、つぎの3つがあります。
家族と繋がる時間と自分の時間のバランスを保てる
個室でもリビングでもないちょうどよいスペースで過ごすことで、リラックスしやすくなります。また、完全密室ではないうえに家族との距離も近いため、疎外感が生まれにくいです。
空間にメリハリが生まれる
リビングの一角にヌックがあると、立体感が生まれます。とくに、階段下のデッドスペースをヌックとして有効活用できれば、収納範囲がさらに広がります。
書斎やキッズスペースとして活用できる
近年は自宅でも仕事するようになりました。新たに仕事部屋を設けるのに抵抗がある人は、ヌックを仕事部屋として活用しましょう。家族とちょうどよい距離感が生まれやすくなり、仕事にも集中できます。また、キッズスペースとしておもちゃを使って遊ぶ場にしてもよいでしょう。
注文住宅にヌックを設けるデメリット
ヌックはさまざまな使用用途に使えるため便利ですが、デメリットがあります。それは、つぎの2点です。
費用がかかる
工事費や材料費がかかるので、建築コストが割高になります。照明も天井から吊るすタイプであれば、新たに配線が必要になります。最初はそこまでお金をかけなくてもよい場合もあります。生活に慣れてきたタイミングでアップデートしましょう。
面積が必要
階段下などのデッドスペースをヌックとして活用するのではなく、新たにヌックのスペースを作る場合は面積が必要です。ヌックを設けることで部屋のスペースが狭くなるときは、ヌックを設けないことも選択肢に入れておきましょう。
ヌックをつくる際に意識するべきポイント
ヌックを設けるときには、つぎのポイントを踏まえておくと失敗しにくいです。
どのように過ごすか具体的にイメージしておく
具体的に使用用途を決めておかないと、単なる物置スペースになってしまいます。費用をかけてヌックを作るのであれば、使用用途を明確にしておきましょう。たとえば、夫婦で暮らしているときは、読書や編み物のスペースとして活用するほか、子どもが産まれたら、子どもの遊び場として活用するといったものです。
メリハリをつけて別空間にする
部屋のように扉や仕切りなどで区切るのではなく、メリハリをつけることで別空間と認識できるようにするのがポイントです。閉鎖的になり過ぎると、家族とコミュニケーションがとりにくくなります。逆に、開放感が溢れていると、自分の時間を過ごせなくなります。ヌックの床材を変化させる工夫や段差を取り入れるなどの工夫で、デザイン性あふれる空間ができ上がります。
落ち着くサイズにする
部屋やリビングのように広くすると、使用用途が不明確になってしまいます。また、部屋との違いが分からなくなるのでスペースの無駄になります。ヌックの広さは決まっていませんが、2~3畳程度が好ましいといわれています。その場に座って過ごすだけではなく、テーブルや椅子も設置できます。ヨガマットや本棚も設置できるので、秘密基地のような気分を味わえるでしょう。
照明で落ち着いた雰囲気にする
リラックスできる場所にしたいときは、照明を上手に活用しましょう。間接照明にするとオレンジ色の淡い光が部屋全体を包み込んでくれます。ヌックでコーヒーや紅茶を楽しみたい人におすすめです。読書するときは、視力が低下しないようにスタンドライトも併用しましょう。
また、部屋全体を照明で灯す方法以外にも、ペンダントライトや床に置いて使用する照明を活用すれば、ヨガやストレッチなどの体をメンテナンスするときにリラックスできるようになります。内省の時間を過ごしたい人におすすめです。
まとめ
ヌックは日本ではまだ馴染みのないものですが、これから需要が高まる可能性があります。テレワークが普及してきた日本では、すでに住宅を建てている人が仕事部屋を設けることが難しいからです。すでに住宅を建てている人は、リフォームでヌックを検討しましょう。これから住宅を建てる人は、階段下のデッドスペースを活用するなどして上手に導入してみてはいかがでしょうか。