プレハブ工法には種類がある?特徴を知って最適な工法を選ぼう
注文住宅の醍醐味は、施主が住宅のあらゆる要素を自由に決められることでしょう。しかし、自由に決められるがゆえに悩むことが多く、最初に頭を悩ませるのが工法です。工法によってマオリの自由度や断熱性、工期などが変わるため慎重に検討しなければなりません。そこで、木造住宅の工法のひとつであるプレハブ工法の特徴について解説します。
プレハブ工法とは
住宅の建築は、構造躯体に鉄骨または木材が用いられます。鉄骨を用いて建物が建設されるようになったのは明治初期ごろからで、それ以前に建てられたほとんどの建築物には木材が使用されていたのです。昔の寺院や仏閣を想像すると、木材を使用した建物がイメージできるでしょう。
なお、現存する最古の木造建築物は法隆寺であり、1,300年の歴史があります。一方、比較的新しい鉄骨住宅ですが、現在建築される住宅の1割ほどしか鉄骨住宅は建てられていません。残りの9割は木造住宅であり、今も昔も主流は木造の建築物なのです。マンションやショッピングモールといった大規模な構造物には本的に鉄骨が用いられていますが、住宅で用いられるのは木造に比べて少ないといえるでしょう。
また、一口の木造住宅といっても、工法によって特徴が異なります。木造住宅の工法には、軸組工法やツーバイフォー工法、プレハブ工法などがあるのです。
プレハブ工法とは、工場で住宅の大半を作り、現場で施工するのを極力少なくしています。ただし、プレハブ工法は木造だけでなく鉄骨住宅を建築する際にも用いられているのが特徴です。プレハブ工法が日本で始まったのは昭和30年ごろからですが、工場生産の技術があまり高くなかったこともあり、クオリティが高くない印象がありました。しかし、技術の進歩に伴い、工場生産技術が向上、現在では建築される住宅の15%がプレハブ工法となっているのです。
プレハブ工法の種類
ニーズが拡大しつつあるプレハブ工法ですが、木造・鉄骨・コンクリートなどさまざまな工法があります。
木質系プレハブ工法
木質系プレハブ工法は、木材で壁や天井などを組み立てます。プレハブ工法を使うと、軸組方式とパネル方式のどちらにも対応できますが、現在ではパネル方式が主流です。六面体のように住宅を支えることで、耐震性や断熱性、耐久性に優れた住宅となります。
ユニット系プレハブ工法
木材または鉄骨を用いて、ユニットと呼ばれる箱型のフレームを作る方法です。ユニットごとに住宅を作り、現場ではユニットを連結させるだけで完成します。工場で電気配線や住宅設備なども施工するため、工期の短縮でき、住宅の完成度に差異がほとんど生じないのが魅力です。
鉄骨系プレハブ工法
鉄骨系プレハブ工法は、鉄骨材を工場内で溶接することが特徴で、住宅の大半を完成させられます。住宅の大半が工場内で完成するため、現場ではボルトで固定するだけ。工期が短く、ほかの工法と比較して施工費用を安く抑えられます。鉄は錆びに弱いため、屋外作業する期間が短くなることで雨にさらされるリスクも軽減できるでしょう。
コンクリート系プレハブ工法
コンクリートのパネルを工場で作り、コンクリートの面を現場で組み立てていく工法です。コンクリートは材質上、遮音性や耐火性に優れており、木材や鉄骨と比較しても最長の耐久年数があります。ただし、コンクリートは重量があるため、強固な地盤が求められるでしょう。地盤改良の可能性がもっとも高くなるのは注意点です。
希望・要望に合った工法を選ぼう
注文住宅は施主が住宅のさまざまな要素を決定します。間取りや設備、工法、デザインなど決めなければならない要素が多すぎて、迷ってしまうケースも少なくありません。実際にプランニングを進めていくと、ゆっくり悩んでいる時間もないため、あらかじめ何を優先したいかきちんと決めておく必要があります。とくに住宅の工法は、プランニングの最初に決定する要素です。工法によって可能な間取りや工期、施工費用、耐震性、断熱性などが変わってくるため慎重に選ばなければなりません。
まずは家族とじっくり相談し、希望や要望を明確にしましょう。また、希望や要望が多すぎると、すべてを叶えられる工法がない可能性もあります。要望をピックアップし、妥協できるポイントと必ず実現したいポイントの優先順位をつけておくのがおすすめです。
注文住宅では、施主が住宅のあらゆる要素を決定します。ハウスメーカーの担当者に相談するのもいいですが、施主自身が積極的に情報収集を行ってプランニングしましょう。なお、住宅の建て方にはさまざまな選択肢があります。まず、柱や天井に使用するのが木材なのか鉄骨なのか、コンクリートなのかを選ばなければなりません。また、それぞれの素材にいくつか工法があります。工法によって可能な間取りや耐震性、断熱性、耐久性などが変わってくるのがポイントです。工法を決めるのは家づくりのプランニングを進める上で重要なポイントとなるため、特徴を押さえて慎重に検討しましょう。