新築の注文住宅の耐用年数とは?劣化原因をあらかじめ知っておこう!
住宅の耐用年数とは減価償却費用の計算のために定められた年数であり、家自体の寿命とは異なります。では、新築の注文住宅の耐用年数はどれほどあるのでしょうか?この記事では、住宅の耐用年数についてよくわからない人に向けて説明するとともに、家が劣化してしまう原因と寿命を延ばすためのポイントについて解説します。
新築の注文住宅の耐用年数
「耐用年数」と聞くと「その物が何年まで耐えられるか」というふうに誤解する人もいます。耐用年数とは家の寿命ではなく、不動産の減価償却費用を計算するために設定された年数のことです。
木造住宅は22年
木造住宅の法定耐用年数は22年と定められています。しかし、住宅ローンの最長は35年です。25歳からローンを組んだとしても、払い終わるころには還暦を迎えています。ここで疑問となってくるのが「耐用年数を過ぎた家に支払いをするだけの価値はあるのか」です。確かに、住んでいるうちに劣化が始まり家としての価値は下がってしまうでしょう。きちんとメンテナンスをしていても、新築当時の輝きが戻るわけではありません。
しかし、日本には築40年以上の民家もたくさんあります。築100年以上となる古民家は、価値のある物件として取り扱われることも多いです。したがって、家の寿命は計算のために設定された耐用年数とは大幅に異なることもあります。木造住宅の耐用年数22年はあくまで計算のためだと理解しておきましょう。
軽量鉄骨プレハブ造りは19~27年・重量鉄骨造りは34年
一般的な住宅は木造がほとんどですが、鉄骨造りで建てられる住宅もあります。耐用年数は、軽量鉄骨プレハブ造りであれば19~28年、重量鉄骨造りであれば34年です。
鉄筋コンクリート造りは47年
鉄筋コンクリート造りの耐用年数は47年です。マンションなどで建てられることが多く、耐久性の高いことが特徴です。
住宅の劣化原因として考えられること
住宅は住んでいるうちにだんだんと劣化が始まりますが、その原因とはなんでしょうか?自然災害はもちろん、住む人間が劣化原因をつくることもあります。もしかすると、知らず知らずのうちに家が劣化するような生活をしているかもしれません。
リフォームせずに手放してしまう
老朽化した際にリフォームをせず、建て替えや住みかえをすればそれが劣化原因となってしまいます。また、子どもが独立して夫婦だけになるなど、家族構成の変化も原因の1つです。老後を考えバリアフリーの家に住みたいと思えば、バリアフリー仕様にリフォームするか、住み替えるかのどちらかになります。
そこで住みかえてしまい、もともと住んでいた家を手放すと、住む人がいなくなった家はすぐに劣化します。住む人がいなくなった家の劣化が早いのはなぜかというと、メンテナンスする人がいなくなるからです。
また、人の気配がなくなった家には害獣が侵入し、荒らされてしまいます。糞尿による建材の腐敗や配線をかじるなど、建物へのダメージが大きいことも劣化の原因です。家を手放せば、こうして劣化が進んでいきます。
災害による被害
台風や地震・集中豪雨・土砂災害なども劣化原因です。自然災害のため避けようがなく、住宅を頑丈にする以外に対策がありません。住宅の構造は地震による揺れを想定しているかもしれませんが、外壁は想定されていません。そのため地震の揺れによって外壁にひびが入る住宅も多いです。
とある外壁工事会社の社長が船の内装を依頼された際、波による揺れで壁にひびが入りなかなか成功しなかったと聞きます。波の揺れでもひびが入るため、地震によってひびが入ってしまうのも当然でしょう。
注文住宅の寿命を延ばすためには?
劣化するとはわかっていても、なるべく寿命が伸ばせるよう工夫したいと考えている方も多いのではないでしょうか。そこで、注文住宅の寿命を延ばすポイントをご紹介します。
定期的な手入れとメンテナンス
毎日の掃除はもちろん、外壁などの外回りと水回りは定期的に手入れとメンテナンスをしましょう。外壁にひび割れはないか、雨どいは詰まっていないかなど、外から見るポイントはいくつかあります。ひび割れがあればふさぎ、雨どいにゴミが詰まっていれば取り除きましょう。
また、こういったすき間は害獣の侵入経路にもなります。騒音や悪臭・フンに悩まないためにも、点検時にすき間を見つけたら金網などで塞ぐことをおすすめします。
リフォーム
自分たちでは解決できないほど老朽化が進めば、プロの手を借りてリフォームしてしまうのも1つの手です。ドアが歪んでいれば修繕し、古くなった部分は新しいものと取り換えましょう。その際に耐震強化工事を行うのもよいかもしれません。建築当時にはなかった優秀な建材や断熱材も取り入れれば、以前よりもずっと快適に暮らせるかもしれません。
注文住宅の耐用年数と劣化原因、住宅の寿命を延ばすためのポイントを解説しました。耐用年数とは減価償却費用の計算のために定められた年数であり、家の寿命とは異なることもわかったかと思います。マイホームの老朽化を理由に住み替えることもありますが、家を手放すことは劣化の原因にもなります。老朽化が進んだ家はリフォームして、アップグレードするというのもよいかもしれません。